木霊日記

色々書くかもしれない。

虫を食べて思ったこと

皆さんは昆虫を食べたことがあるだろうか。私はある。

何種類かの虫を食べた結果いろいろと思うところがあったのでまとめることにした。

※注意※ この記事には昆虫の画像が多く含まれます。予めご了承ください。

 

 

 

1.そもそもなんで虫を食ったのか

科学雑誌ナショナルジオグラフィック』の影響である。数年前に偶然手に取った号の特集が昆虫食で、記憶が曖昧だが虫に含まれるタンパク質の良質さ、繁殖の容易さ、飼育スペースの小ささなどに触れて未来の食文化ともてはやしていたように思う。この記事に感化された私の価値観には「虫=理想の食材」の式が刻み込まれ今に至る。おまえらのせいだぞナショナルジオグラフィック

 

2.具体的に何を食ったのか

  • カブトムシ

記念すべき私の初昆虫食レポート。深夜のドンキで運命的な出会いを果たした。これが意外と食えてしまったことで精神的なハードルがボカンと下がった思い出の虫。

しかしながら外骨格があまりにも固く、味もやたらと土臭く、後述する種々の虫を食べた今では割と不味い部類に入ると確信している。塩味のスナックとして販売されていたが、最終的にスパイスをぶち込んでてんぷらにした。

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からっと揚がったカブトムシくん。揚げても角は咀嚼できなかった。
  • イナゴの佃煮

これを避けては通れますまい。佃煮の味が強いのでイナゴ自体の味はあまり良くわからなかった。白いご飯によく合ったが、バッタ目特有の発達した後肢が歯茎にぶっ刺さってくる。後から聞いた話では脚を取る・取らない、原形をどれくらい残すか、といったところで流派があるらしく、脚ぶっ刺さり問題は避けられることが分かった。

  • ハチの子の佃煮

これも避けては通れますまい。佃煮の宿命か、ハチの子自体の味はあまり分からなかった上、食感もそこまで印象が強くなかったため「佃煮だな……。」という無難な感想しか抱けなかった。味や食感の面ではトップクラスに食べやすい昆虫食。おすすめ。

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見た目も割とナッツ類に見える。

外骨格をハサミで切り開き、内臓のみをスプーンでそぎ落として食べた。内臓の量が耳かき一杯分くらいしかないので値段あたりの満足度はかなり低い。塩蔵されていたのかかなりしょっぱく、バニラアイスの甘さと良く合っていた。……塩でよくない?

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癖はしょっぱさでかき消されており、食べやすくはあった。

そのものを食べたのではなく、冬虫夏草を漬けた酒を飲んだ。薬用酒ってこんな味だよね、という味。飲みやすいわけではないが、冬虫夏草のせいで飲みにくいわけでもない。

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天然モノはお高いそうで、写真のものは養殖冬虫夏草。それでもお高いとか……。
  • コオロギ

無印良品がコオロギパウダーを配合したおせんべいを発売したり、某Vtuberが食べて嘔吐していたりとちょこちょこTwitterで見かける。私が購入したのはそのまま食べられる塩味のもので、カブトムシと比べると口に入れた直後の臭みは少なめで香ばしく、食感もサクサクしており食べやすかった。しかし、いくつも連続で食べていると口の中がペットショップの餌用コオロギ売り場の匂いにどんどん近づいていくため工夫が必要。ガーリックバターで炒め、後味をレモンサワーで流すことで香ばしさのみを味わうことができた。

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袋を開けたらすぐそこに虫!という主張の強さ。

 

3.総合的な感想

「虫特有の風味」というものが存在しており、塩蔵や佃煮などの方法でがっつり覆わないと食べ進めるのがしんどい。また、原形を比較的保っている虫の場合、袋から取り出して口に放り込むという行為が私の深層に想定されていないのか、食べようとする度に脳がきしむ感じがした。逆に考えるならば、風味と見た目をなんとかすれば今よりも広い層に受け入れられる可能性がある。佃煮にした先人の知恵は偉大である。コオロギせんべいのような加工も、風味と見た目を変えることで抵抗感の軽減を狙っているのだろう。

 

4.まとめ

いかがだっただろうか。ここまで読んでいただいておいて何だが、私は趣味と胸を張って言えるほど昆虫食に熱心な人間ではないし、蝶の幼虫や蛹、タランチュラ、サソリ等の食用としてメジャーなものでも食べたことのないものが多いので、ここにある感想が昆虫食の全てだとは思わないでほしい。生まれ育った環境によって感想は変わるだろうし、栄養価に着目してトレーニングのために摂取しているという人もいるだろう。モノがモノなだけに軽率におすすめはできないが、ぜひ自分で味わってみてほしい。